なにもできないって決めつけていた。決めつけたかっただけかもしれない。どう足掻いても逃げられないなら、地獄の中で生きるしかなくて、でもそれでも自由になって、自分の夢を叶えたくて、家族のいる家から逃げたくて、東京の絵が学べる大学に行った。俺が沢山苦しんで未来もあきらめている中、先生が一生懸命探してくれた場所だった。そこの大学は辞めてしまったけど、学びはあっったし、その後も絵と漫画を描きたくて、描いている。でも、現在は心が折れている。ずっと薄暗い道の一か所でうずくまっている。

描くことが嫌になった。ペンを目に入れることさえ嫌になった。すべてが嫌だ。何もかもが嫌だ。

或る程度、長くて半年くらいやすむことになった。

世はHalloweenだしそれっぽいの描きたいなと欲は出ども、描けなくなっていった。無理やり描いていた感ある。「君は今描いたら死ぬよ。その状態で描いても楽しくなくてから。休め」と相棒に言われて、大人しく寝ている。

「創作は苦楽ありきだろ」「楽しいだけがすべてではない」と思っている。でも相棒は違うと言っていた。そのことは分かり合えなかった。

カラカラに渇く口。どうしようもない現実。

布団にしまうしかない俺の肉体。心も一緒にしまおう。

本当に渇いているのは心なのかもしれない。